発達支援について
保育園に、心理士やリハビリ職が
あたりまえのようにいる世の中になってほしい
みぎわがはじめて心理士を職員として仲間に迎えたのは、2018年のことでした。
発達に課題をかかえる園児に早期支援の手を差し伸べ、子育てに悩みを抱く保護者の方へのサポートを充実させたいと願って、採用を決めたのです。
当初はこの試みを『障害児保育プロジェクト』と呼んでおり、心理士の職員には、「支援が必要な子どもの行動観察を通じて特性(強みや弱み、発達の凸凹)をつかみ、その子にとってより望ましい環境、より適切なかかわり方を提案すること」を期待していました。
ところが、心理士が保育士と毎日子どもについての情報共有や意見交換を重ね、実際に保育現場で活躍する様子を見ているなかで、わかってきたことがあります。
心理士には、発達に課題をもつ子どもへの支援という枠を超えて、「定型発達の子どももふくめたクラス全体、園全体の子どもにとって、より望ましい環境、より適切なかかわり方をも提案できる」力があるのです。
ただし、心理士がそのような力を保育園で発揮するには、大きな前提条件があることも見えてきました。その条件とは、心理士、保育士、看護師、栄養士など、多職種の間で日常的な連携が行われていることです。バックグラウンドが違っても、お互いこれまで積み重ねてきた経験や学んできた知見を尊重し合い、学び合うこと。おなじ子どもを支援する仲間として、ともに保育計画をつくり、子どもにかかわること。
こうした多職種間の連携があってこそ、保育の質は高まっていくのだと確信しています。
いま、みぎわには心理士に加え、作業療法士や言語聴覚士といったリハビリ職もいます。 心理士とおなじく、リハビリ職の職員はそれぞれの専門性を活かしながら、保育士と協働しつつ、各園での日々の保育をよりよいものにするべく奮闘しています。
前置きが長くなりましたが、このページでは保育園にはまだ珍しい心理士・リハビリ職が、どのような着眼点をもち、具体的にどう創意工夫しながら保育現場に向き合っているのかをコラム形式でご紹介します。
いつの日か、保育園に、心理士やリハビリ職があたりまえのようにいる世の中になってほしい。 そう願いつつ、まずはみぎわでの取り組み内容を、ささやかながらホームページで発信することからはじめます。
美樹和会 顧問 塩谷 索